
ワンルームで民泊をやるメリットと差別化を図るポイント
大きな物件で民泊を始めるのに、抵抗がある方はいませんか?民泊と聞くと一軒家やヴィラなどの大きい物件を想像する方も多いかもしれませんが、ワンルームで民泊をする方法もあります。
近年、規制緩和がされたことで民泊運営への参入が手軽になりました。そこで今回は、ワンルームの民泊運営についてのメリットやおさえておきたいポイントを解説します。
本記事を参考に、ぜひ民泊の運営を前向きに検討して下さい。
CONTENTS
ワンルームでの民泊が可能になった規制緩和
民泊を始めてみたいけど、あまりリスクを追いたくないという方はいませんか?実は規制緩和により、ワンルームでの運営ができるようになりました。
その背景と特徴を押さえておきましょう。
面積の基準
元々、旅館業法では面積の基準が「33㎡以上」と一律で定められていました。
しかし、2016年の4月1日から、簡易宿所営業の基準が「宿泊者が10人に満たない場合は、1人当たり3.3㎡」と緩和されました。(参考サイト)
条件が緩和されたことで、例えば3人が宿泊できる民泊を運営する場合、面積が9.9㎡あれば運営が可能になります。
今までワンルームでの民泊は厳しいとされてきましたが、運営のハードルが低くなったのがポイントです。ただし、面積が小さい分、ゲストが快適に過ごせるような工夫も必要です。
フロントの設置について
旅館業法でフロントの設置が求められていたことから、多くの地域の条例でフロントの設置が義務付けられていました。
しかし、規制の緩和でフロントを「設けること」と定められていた文章が「設けることが望ましい」に変更されました。(参考サイト)
また、宿泊者が10人未満で申請された施設は、以下の2つの条件を満たせば、フロントの設置は必須ではありません。
・緊急時への迅速な対応が整っていること
・フロントの代わりになるような設備があること
ただし、自治体によってはフロントの設置を必須にしている地域もあるため、必ず条例を確認するようにしましょう。
ワンルームで民泊をするメリット
では、ワンルームで民泊を運営するメリットはどこにあるのでしょうか?ここでは、メリットについて3つご紹介します。
初期費用が安くなる
ワンルームで民泊を始める最大のメリットは、初期費用が安く抑えられる点です。 特に、家具や家電の購入費用も少なくて済むため、初期投資を最小限に抑えることができます。
これにより、初めて民泊を試みる方や予算に限りがある方でも気軽に始めることが可能です。
管理の手間が少ない
運営管理の手間が少ないこともメリットです。ワンルームは一軒家やヴィラなどの広い物件に比べて、清掃やメンテナンスに時間と手間がかかりません。清掃作業は短時間で済むため、頻繁にゲストを迎えることができ、稼働率が上がります。
また、レイアウトがシンプルなため、家具や設備の管理も簡単で、掃除がしやすく行き届いたおもてなしができます。
立地が良い物件が多い
ワンルームマンションは、駅から近かったり立地が良かったりと条件の揃った物件が多いです。
また、都市部や観光地の中心部に多くあることも魅力となります。観光客やビジネスパーソンにとって、駅や主要な観光スポットへのアクセスが便利な場所に宿泊することは非常に重要です。
ワンルームで民泊をする際に確認するべき項目
メリットの多いワンルームですが、民泊をする際に確認しておくべき項目がいくつかあります。以下5つのポイントを参考にして、物件を探してみましょう。
マンションの管理規約
多くのマンションでは、住民の安全や快適な生活環境を守るために、賃貸や転貸に関する規定が設けられています。民泊を行う場合は、不特定多数の人が頻繁に出入りすることになるため、管理規約で明確に禁止されている場合があります。
そのため、事前に管理組合に相談し、民泊が許可されているかの確認をすることが不可欠です。
また、許可が得られた場合でも、宿泊者の行動や騒音に関するルールを守るように指導することが求められます。
転貸の許可
賃貸でのワンルームで民泊を行う際には、転貸の許可が必要です。転貸とは、借りた物件を第三者に貸し出す行為を指します。
多くの賃貸契約では、転貸を禁止している場合が多いため、事前にオーナーや管理会社に確認を取ったり契約書の条項をチェックしたりすることが必須です。
もし契約書に転貸禁止の条項がある場合でも、オーナーに事情を説明すれば許可を得られる可能性もあります。オーナーへの説明時には、民泊の運営方法や安全対策、近隣住民への配慮などを具体的に話しましょう。
チェックイン方法
チェックイン方法は主に「対人」「無人」「デジタル」の3つがあります。対人の場合は、ホストが常駐してゲストとのコミュニケーションをはかれる点がポイントです。
無人の場合は、スマートロックやキーボックスを利用することで、ゲストは昼夜問わずチェックインが可能になります。
デジタルの場合は、専用のアプリやウェブサイトを通じて、ゲストが事前にチェックイン手続きを完了させられるのがメリットです。
ただし、自治体によっては、対面チェックインのみ対応で無人やデジタルチェックインを許可していない場合もあるため、事前確認を怠らないようにしましょう。
常駐か無人運営か
ワンルームで民泊を運営する際は家主居住型(常駐)と家主不在型(無人運営)があります。常駐型は、ホストが物件に常に滞在するため、ゲストとのコミュニケーションが取れて困ったときにすぐに対応できます。
家主不在型は、ホストが不在になるため、スマートロックやキーボックス、デジタルチェックインシステムを活用するケースが多いです。地域の条例によっては、常駐が必須になってるところもあるので事前の確認が重要です。
特に家主不在型の場合は、駆けつけ要件を満たしているかがポイントとなるでしょう。
エレベーターの有無
高層階に位置する物件では、エレベーターがあるかどうかも重要な項目です。エレベーターがない場合、ゲストが大きなスーツケースを持って階段を上り下りする必要があり、移動が大きな負担となります。
エレベーターの有無は、リスティングに明記し、ゲストへ事前に情報を与えて安心させてあげましょう。
ワンルームの民泊で差別化するポイント
ワンルームは競合が多くなるため、いかに差別化を図れるかが大きなポイントになります。差別化を図るためのポイントを3つまとめたので、参考にしてみて下さい。
民泊のコンセプトを決める
ワンルームという限られたスペースを最大限に活用するためには、ターゲットとなるゲストのニーズを明確にし、それに応じたコンセプトを設定することが大切です。
例えば、ビジネスパーソンやノマドワーカーをターゲットにしたい場合は、高速Wi-Fiやデスク環境を整えてリモートワークがしやすい環境が必要です。観光客向けには、地元の観光情報や便利なアクセス方法、物件の周辺情報などを紹介してあるといいでしょう。
また、長期滞在者向けには、自炊がしやすいようにキッチン周りや掃除グッズなどが整っていると喜ばれます。コンセプトを明確にすることで、マーケティングやリスティングの際にも一貫性を持たせることができます。
リスティングは作り込む
リスティングとは、民泊サイトに掲載する物件の紹介ページのことです。ゲストにとっては予約するかどうかを決める判断材料になりますが、中でも1番重要なのが写真です。
生活感や明るさが伝わる写真を掲載するのはもちろんですが、滞在がイメージしやすいように各部屋の写真も必ず載せましょう。
また、物件の詳しい説明文も重要です。部屋の設備や広さを記載するだけでなく、周辺の観光スポットやアクセスの良さ、近隣の飲食店やスーパーなどの情報も盛り込みましょう。
Wifiやデスク環境を整える
訪日外国人やビジネス利用の増加に伴い、Wifiやデスク環境を整えることは必須です。Wifiのパスワードや接続方法は、チェックイン時にわかりやすく案内するようにしましょう。
また、リモートワークの需要も増えているため、デスクと快適な椅子を用意して、デスク環境を整えておくことも重要です。デスクには、電源タップやUSBポートを設置し、ノートパソコンやスマートフォンの充電がしやすいように配慮しましょう。
ネット環境が悪いと物件の評価にも影響するため、ネットを快適に使えるかを定期的に確認するのがおすすめです。
まとめ
大きな物件を借りての民泊には少し抵抗がある方や、初期費用を最低限に抑えたい方などにワンルームの民泊は最適です。
民泊初心者にも始めやすく、複数の物件を運営しやすくするメリットもあります。規制緩和によって可能な物件が増えている中でも、自治体などによっても違いがあるため最新の情報をしっかりと把握しておくことが大切です。
これらのポイントを押さえることで、ワンルームでの民泊運営を成功させられるでしょう。