
個人での民泊運営の始め方!初期費用や手順、注意点を解説
近年、旅行者の多様なニーズに応える形で民泊の人気が高まっています。個人で民泊を始めようと思っている方は多いかもしれませんが、民泊運営を成功させるには事前の準備や法的な手続き、運営の工夫が欠かせません。
本記事では、個人で民泊を始めるための基本的な流れや初期費用、運営時のポイントについて詳しく解説します。これから民泊を始めたいと考えている方は、ぜひ参考にしてください!
CONTENTS
個人で始められる民泊の種類

ここからは、個人で始められる民泊の種類について紹介します。
民泊新法の民泊
「民泊新法」に基づく民泊は、日本国内で最も一般的に運営されているスタイルの1つです。2018年に施行されたこの法律は、急増する民泊施設を適切に管理するために制定され、個人でも比較的簡単に民泊を始められるようになりました。
民泊新法の民泊は主に一般の住宅を活用し、年間180日以内の範囲で宿泊提供が可能です。この法律のもとで運営するためには、事業者として自治体に届け出を行い、衛生管理や安全対策を徹底することが求められます。
旅館業法の民泊
旅館業法に基づく民泊は、いわゆる「簡易宿所」としての営業許可を取得して運営するスタイルです。民泊新法のような年間180日の営業日数制限がないため、安定的な収益を得たい人に適しています。
しかし、その分旅館業法に基づく厳格な基準をクリアしなければならず、開業までのハードルはやや高くなるでしょう。簡易宿所として許可を得るためには、保健所への申請が必要で、建物の用途や設備基準も厳しくチェックされます。
特区民泊
特区民泊とは「国家戦略特区」として指定された地域で、特別な規制緩和のもと運営できる民泊のことです。通常、日本の民泊は民泊新法や旅館業法の規制を受けますが、特区民泊ではそれらの制約が大幅に緩和され、より自由度の高い運営が可能になります。
ただし、国家戦略特区に該当するエリアでのみ実施できるため、全国どこでも利用できるわけではありません。
特区民泊の最大のメリットは、営業日数の制限がないことです。民泊新法では年間180日までしか営業できませんが、特区民泊なら365日いつでも宿泊提供が可能です。
個人で民泊を始める手順

ここからは、個人で民泊を始める手順について紹介します。
民泊の業態を決める
民泊を始めるにあたって最初に決めるべきことは、どの業態で運営するかという点です。日本で合法的に民泊を運営するためには「民泊新法(住宅宿泊事業法)」「旅館業法」「特区民泊」のいずれかに基づいた形態を選ぶ必要があります。
前述したとおり、それぞれの業態には異なるルールがあり、年間の営業日数や設備基準、必要な手続きの内容が大きく異なります。
そのため、自分がどのようなスタイルで民泊を運営したいのかを明確にし、エリアの需要や法規制と照らし合わせながら最適な業態を選びましょう。
必要書類を提出して認可・許可を得る
民泊を正式に運営するためには、自治体に対して必要な書類を提出し、認可や許可を得ることが不可欠です。
どの業態で民泊を運営するかによって手続きの内容は異なりますが、基本的には保健所や都道府県の担当窓口に申請し、必要な条件を満たしていることを証明する必要があります。
必要に応じてリノベーションを行う
物件の状態によっては、リノベーションが必要になることもあります。特に旅館業法に基づく簡易宿所の許可を取得する場合や、老朽化した物件を民泊として活用する場合には、一定の基準を満たすための改修が求められます。
具体的には水回りの改修、耐震補強などが挙げられるでしょう。また、消防設備の設置や避難経路の確保など、安全対策に関する基準を満たすための工事が必要になることもあります。
参考:内装工事とは?店舗内装工事の流れや4業種の費用相場、安くするコツを解説 | 店舗内装工事見積り比較.com
料金設定と利用規約を作成
民泊の運営を成功させるためには、適切な料金設定と利用規約の作成が重要です。料金設定は、周辺の宿泊施設の相場や提供するサービスの内容を考慮しながら決める必要があります。
価格が高すぎると集客が難しくなり、逆に安すぎると利益が出にくくなるため、適切なバランスを見極めましょう。
また、利用規約を明確にすることで宿泊者とのトラブルを防ぐことができます。チェックイン・チェックアウトの時間、騒音に関する注意事項などを事前に提示し、宿泊者に守ってもらうことで、スムーズな運営が可能になります。
必要なものを集める
料金を設定したら、民泊運営に必要なものを集めましょう。
運営するための物件
民泊を始めるためには、まず宿泊施設として使用できる物件を確保することが必要です。物件の選定にあたっては、立地や広さ、設備などターゲットとする宿泊者のニーズを考慮しながら決めることが重要になります。
例えば、観光客向けに運営する場合は、主要な観光地や交通アクセスの良い場所に物件があると集客しやすくなります。一方でビジネス利用を想定する場合は、都市部のオフィス街に近い物件が適しているでしょう。
家具・家電・アメニティ
宿泊者が快適に過ごせるようにするためには、必要な家具や家電、アメニティを揃えることが欠かせません。宿泊施設として最低限必要なものは、以下のとおりです。
・ベッドや布団
・テーブルなどの家具類
・エアコン
・冷蔵庫
・電子レンジ
アメニティについても、宿泊者がストレスなく滞在できるよう、充実した備品を用意することが求められます。シャンプーやボディソープ、タオルなどの基本的なものはそろえておきましょう。
インターネット環境
現代の宿泊施設において、インターネット環境の整備は欠かせない要素の1つです。特に、海外からの旅行者にとって、無料Wi-Fiが利用できるかどうかは宿泊先を選ぶ際の大きなポイントになります。多くの民泊プラットフォームでも、Wi-Fiの有無は検索条件に設定されているため、快適なインターネット環境を提供することで、より多くの宿泊者を獲得できる可能性が高まります。
民泊サイトに登録する
最後に民泊サイトに登録し、宿泊者を募集します。
AirbnbやBooking.comなどのプラットフォームを活用することで、国内外の旅行者に向けて物件をアピールできます。登録の際には魅力的な写真を掲載し、詳細な説明文を記載することで、予約率を高めることができます。
また、レビューが集まることで信頼度が向上し、より多くの宿泊者を呼び込むことができるでしょう。
民泊運営にかかる初期費用

ここからは、民泊運営にかかる初期費用について紹介します。
自宅を使用する場合は10万から数百万
自宅の空き部屋を民泊として活用する場合、物件取得費が不要なため比較的低コストで始めることができます。
しかし、宿泊施設としての快適性を確保するためには、家具や家電の購入、内装のリフォーム、清掃用品の準備などが必要となり、その費用は10万円から数百万円程度かかることがあります。
賃貸を利用する場合は数百万
新たに物件を借りて民泊を運営する場合、初期費用はさらに高額になります。まず、物件の敷金・礼金、仲介手数料などの契約費用がかかり、都市部ではこれだけで数十万はかかるでしょう。
また、家賃を前払いするケースもあり、最初の数か月分の家賃を用意する必要があるため、さらにコストがかかります。
個人で民泊を始めるときの注意点

ここからは、個人で民泊を始めるときの注意点について紹介します。
住宅や物品が破損する可能性がある
民泊を運営する上で避けられないリスクのひとつに、住宅や家具・家電の破損があります。
宿泊者はオーナーの家や設備を大切に扱うとは限らず、使用方法を誤ったり、不注意によって損傷を与えたりすることがあります。
特に複数の宿泊者が短期間で出入りする民泊では、使用頻度が高まるため、通常の住宅よりも消耗が激しくなりやすいです。例えば、ソファや壁紙の汚れや剥がれ、床の傷、家電の故障などが挙げられるでしょう。
収入によっては確定申告が必要
民泊運営を行うことで得られる収益は法律上、課税対象となるため、収入が一定額を超える場合は確定申告をしなければなりません。確定申告を怠ると、税務署から追徴課税を求められたり、ペナルティを科される可能性があるため、適切に申告することが重要です。
特にサラリーマンなどの給与所得者が副業として民泊を運営する場合、年間の副収入が20万円を超えると確定申告が必要になります。
また、民泊収入には消費税が関係してくる場合もあるため、年間売上が1,000万円を超える場合は、消費税の課税事業者として申告義務が発生することも考慮しなければなりません。
年間で180日しか運営できない
民泊新法(住宅宿泊事業法)に基づいて営業する場合、年間の営業日数が180日までに制限されていることに注意が必要です。
この制限は、民泊がホテルや旅館と競合しすぎないようにするために設けられたもので、無許可で180日を超えて営業すると罰則の対象となる可能性があります。
宿泊者名簿の記入が必要
民泊を運営する際には、法律に基づき宿泊者名簿を作成し、一定期間保存する義務があります。宿泊者名簿には氏名や住所、職業などの基本情報を記入し、外国人宿泊者の場合はパスポートのコピーを取得する必要があります。
これは、犯罪やトラブル発生時の対応を円滑にするために求められている措置です。
特に個人情報の管理には十分な注意が必要であり、不適切な管理による情報漏洩が発生すると信頼を損なうだけでなく、法的な責任を問われる可能性もあります。
オンラインで宿泊者情報を管理する場合は、セキュリティ対策をしっかりと講じ、アクセス制限を設けることが望ましいでしょう。
周辺住民から苦情が来る可能性がある
民泊運営において最も多いトラブルのひとつが、近隣住民による苦情です。特に一般の住宅街で民泊を運営する場合、騒音問題やゴミの出し方、共有スペースの使い方などが原因で苦情が発生しやすくなります。
外国人観光客が利用する場合は、日本の生活習慣やルールを十分に理解していないことがあり、無意識のうちに迷惑をかけてしまうこともあります。
こうしたトラブルを防ぐためには、宿泊者に対して事前にマナーを説明し、チェックイン時にルールをしっかり伝えるようにしましょう。
自分に合った業態で民泊運営を始めよう
個人で民泊を始めるには、物件の準備や初期費用の計算、法律の遵守、リスク管理など、多くの要素を考慮する必要があります。
特に初期費用は物件の種類によって大きく異なり、運営スタイルに応じた適切な予算計画が求められます。
求める収入や物件状況によって、民泊の運営スタイルが変わってくるので、自分に合った民泊運営を行うようにしましょう。