
民泊で活用できる補助金7選をご紹介!申請の流れとポイント
民泊ビジネスは初期投資や運営コストがかかりますが、補助金を活用することで負担を軽減できる場合があります。地方創生や観光振興を目的とした政府や自治体からの支援制度を利用することで、補助金がもらえる可能性があるのです。
本記事では、民泊運営に役立つ7つの補助金についてご紹介するとともに、申請の流れやポイントを詳しく解説します。補助金を有効に活用し、民泊ビジネスを成功に導くための参考にしてください。
CONTENTS
民泊で利用できる補助金-政府編-
近年、民泊の普及に伴い、政府は様々な補助金制度を設けています。これらの補助金は、民泊事業者が新たなビジネスモデルを構築する際や施設の改善・運営に役立つ資金を提供することを目的としています。
では、具体的な補助金の種類について詳しく見ていきましょう。
事業再構築補助金 成長分野進出枠(通常類型)
事業再構築補助金の成長分野進出枠は、特に新たなビジネスモデルの構築を目指す事業者が活用できる補助金です。
この補助金は、コロナ禍で影響を受けた事業者が新たな成長分野や業種に進出するための資金の一部を補助することが目的です。
項目 | 内容 |
補助対象者 | 中小企業・中堅企業 |
補助金額 | 100万円〜1億円 |
補助率 | 中小企業:2/3、中堅企業:1/2 |
申請にあたっては、事業計画書を提出する必要があり、どのようにして新たな市場に進出するのか、具体的な戦略を示すことが求められます。
また、設備投資費や広告宣伝費、研修費など、事業再構築に必要な経費が対象になります。
事業再構築補助金コロナ回復加速化枠(通常類型)
事業再構築補助金コロナ回復加速化枠は、コロナ禍での厳しい経済環境を乗り越えて新たな成長を目指す企業に向けた支援制度です。
項目 | 内容 |
補助対象者 | 中小企業・中堅企業 |
補助金額 | 100万円〜1.5億円 |
補助率 | 中小企業:3/4、中堅企業:2/3 |
申請要件は、コロナの影響で売上が減少した企業、新分野への事業再構築が必要な場合に適用されます。事業再構築のための経費の他に、システム導入費や設備投資費などが含まれています。
小規模事業者持続化補助金
小規模事業者持続化補助金は、地域の小規模事業者が持続的に成長するための取り組みを支援する制度です。
項目 | 内容 |
補助対象者 | 小規模事業者(商業・サービス業は常時使用する従業員が5人以下、製造業その他は20人以下の事業者) |
補助金額 | 最大50万円(条件によっては最大200万円まで) |
補助率 | 2/3 |
現在は、募集を締め切っていますが、今後また募集が行われる可能性があります。事業計画を策定し、販路開拓や生産性向上を目指す取り組みが明確であることにより、計画の内容が補助金の支給に大きく影響します。
IT導入補助金
IT導入補助金は、ITツールを導入してデジタル化の推進を目指す企業に対して、業務改善や競争力強化に向けた資金の一部を補助する制度です。
項目 | 内容 |
補助対象者 | 中小企業・小規模事業者 |
補助金額 | 30万円~450万円(導入するITツールや事業規模に応じて異なる) |
補助率 | 1/2~2/3 |
申請の際に導入するITツールの選定が重要となり、事業計画書にしっかりと記載することでクラウド利用費やソフトウェア購入費が経費として求められます。
民泊事業においては、予約管理システムや顧客管理ツールなどの導入が求められるため、IT導入補助金の活用を検討してみるのもおすすめです。
民泊で利用できる補助金-地方編-
地方での民泊運営は、地域活性化や観光振興に寄与する重要な取り組みです。ここでは、地方で利用できる民泊向け補助金について、その種類や特徴を詳しく解説します。
大阪府新法民泊施設の環境整備促進事業(大阪府)
大阪府では、民泊を利用するゲストの利便性や快適性を向上させるための取り組みをする民泊事業者に対して、補助金を提供しています。
項目 | 内容 |
補助対象者 | 大阪府内で新法に基づく民泊を運営する事業者 |
補助金額 | 上限100万円 |
補助率 | 1/2 |
環境整備促進事業は、民泊を運営する事業者が、施設の整備や改修を行う際に必要な費用の一部を補助する制度です。物件の案内やパンフレットの多言語化、キャッシュレス決済端末の導入などが、補助金の対象になります。
宿泊施設デジタルシフト応援事業補助金(東京都)
宿泊施設デジタルシフト応援事業補助金は、宿泊施設の業務効率化やサービス向上と満足度の向上を目指してデジタル技術の導入を支援することを目的としています。
項目 | 内容 |
補助対象者 | 都内において旅館業法の許可を受けて宿泊施設を運営する中小企業・小規模事業者 |
補助金額 | 上限500万円 |
補助率 | 1/2(中小企業・小規模事業者) |
補助の対象になる主なシステム導入は、以下の通りです。
- 予約サイトの一元管理システムの
- 問い合わせや受付に対応できるチャットボットシステム
- コミュニケーションが円滑に行える音声入力や翻訳システム
福岡市宿泊事業者受入環境充実支援補助金(福岡県福岡市)
福岡市では、福岡市内の宿泊施設が観光客の受け入れ環境を整備し、サービス向上を図ることで地域の観光業の発展に寄与することを目的としています。
項目 | 内容 |
補助対象者 | 福岡市内で住宅宿泊事業法に基づき規定する住宅宿泊事業を行う事業者福岡市宿泊税条例の規定に基づき、納入申告書を提出している事業者 |
補助金額 | 上限50万円 |
補助率 | 1/2 |
インバウンド対応や防災対策が主な対象のため、多言語対応の案内表示設置費、防災設備の導入費、バリアフリー化工事費、衛生管理設備導入費などが補助されます。
鳥取県宿泊施設魅力アップ事業補助金交付要綱(鳥取県)
鳥取県宿泊施設魅力アップ事業補助金は、県内の宿泊施設が施設の魅力を高めるために行う改修や設備導入を支援する補助金です。
観光誘客の増加を目的としており、補助金上限金額も高いので、リノベーションなどの大きな修繕に当てられるのが魅力です。
項目 | 内容 |
補助対象者 | 鳥取県内で宿泊施設を運営する事業者 |
補助金額 | 上限1,000万円 |
補助率 | 1/2 |
客室や共用スペースなどの宿泊施設のリノベーションやエコ対応設備の設置費用、地域特産品を使った新サービス開発費をサポートしてくれます。
民泊の補助金申請の流れ
では、補助金を申請する流れを解説します。申請を検討している方は、参考にしてみてください。
申請する補助金を決める
まずは、補助金の種類を調べて、どの補助金を申請するかを決めていきましょう。本記事で紹介したように、政府が出している補助金もあれば地方で活用できる制度もあります。
民泊が対象に入っているか、補助額がどれくらいなのかを比較しながら、事業の目的やニーズに合った補助金を見つけていくことが大切です。
書類を揃えて申請する
補助金の申請を行う際には、必要な書類を正確に揃えることが重要であるため、申請する補助金の要件を確認して必要な書類のリストを作成しましょう。主に事業計画書や収支計画書、法人登記簿謄本、税務関係書類などが求められます。
また、期限を過ぎてしまうと申請が受理されない可能性もあるため、書類の提出期限にも注意しながら計画的に進めていきましょう。
補助金を受け取る
補助金の申請が承認されると、以下のステップを踏むことになります。
- 補助金の交付決定通知を受け取る
- 事業報告を指定された方法で提出
- 補助金の交付
補助金の支払いは後払いが多いため、一度は自己資金から負担する必要があることを覚えておきましょう。
補助金申請をするときのポイント
補助金を活用する際は、以下の3つをおさえて申請を行うことが重要になります。
- 要件
- 応募期限
- 事業計画書
それぞれについて解説していくので、申請を行うときに必ず確認しておきましょう。
要件をよく確認する
補助金を申請する際には、各補助金の要件をしっかりと確認することが非常に重要です。補助金にはそれぞれ異なる条件や基準が設けられており、これを満たさないと申請が却下される可能性があります。
条件の中には、宿泊施設が民泊新法に対応しているものもあれば、旅館業法のみ申請可能なケースもあるので事前に詳細をチェックしておきましょう。
計画を立てて早めに申請を行う
応募の際は、要件に当てはまっていることや申請期限の確認を忘れずに、計画的に進めていきましょう。各自治体や政府の補助金は、応募期限が決まっていても予算に達した場合に募集を締め切ってしまうことがあります。
募集が開始した時にすぐに対応できるように、早めに計画を立てておくことが大切です。
事業計画書はわかりやすく作る
民泊の補助金申請において、事業計画書は申請者のビジョンや具体的な運営方針を示すものであり、信頼性をアピールするための重要な資料です。
事業計画書には、民泊の目的やターゲットとなる顧客層、提供するサービスの内容、収益モデルなどを明確に記載しましょう。
また、具体的な数値を入れると、事業計画がわかりやすくなります。
まとめ
初期費用が高くなりがちな民泊ですが、補助金をうまく活用することで費用をおさえられます。国の補助金を使うのもひとつの方法ですが、民泊をしたい地域で独自の補助金制度がないかも調べてみるのがおすすめです。
申請可能な補助金を調べて、申請する際には事業計画書や必要書類の準備を怠らないようにしましょう。