民泊ビジネスに失敗しないためのポイントと運営アイデア
今回の記事では、民泊ビジネスを成功に導くために知っておきたい営業アイディアについてご紹介します。
インバウンド観光が急増している今、民泊は将来性の高いビジネスと言えるでしょう。民泊で利益が得られるように、ぜひ参考にしてみてください。
民泊ビジネスの3つの形態
民泊を始めるにあたって、民泊を始めるなら知っておくべき3つの法律と運営形態があります。安心安全に利用できる民泊施設を運営するためにも、しっかり理解しておくことが大切です。
民泊新法
民泊新法(住宅宿泊事業法)は、2018年6月15日に施行された法律で、民泊事業を行うための基本的なルールを定めています。
この法律の目的は、民泊の健全な発展と利用者の安全を確保することです。例えば、宿泊施設の衛生管理や防火対策、近隣住民への配慮などが求められます。
自治体に届け出を行えば事業が開始できるので、ハードルが低く始めやすいのが特徴です。ただし、年間180日以内の営業日数制限があります。
特区民泊
特区民泊は、国家戦略特区に指定された地域でのみ認められる民泊形態です。
国家戦略特区とは、地域の特性を活かして経済成長を促進するために、規制緩和や特別な措置が講じられる地域のことを指します。
民泊新法よりも柔軟な運営が可能であり、地域の観光振興や経済活性化に寄与することが期待されますが、特区ごとに定められた要件を満たしたうえで自治体からの認定が必要です。
最低宿泊日数は2泊3日と決められていますが、営業日数は無制限です。
旅館業(簡易宿所)
旅館業法は、宿泊施設の衛生管理や安全対策を確保し、利用者の健康と安全を守ることを目的とした法律です。
施設の構造や設備が一定の基準を満たしたうえで、自治体に営業許可を取得する必要があります。また、営業できるエリアも制限されているため、3つの運営形態の中では申請へのハードルが最も高いです。
しかし、許可が下りれば営業日数の制限を受けずに稼働できるというメリットもあります。
民泊ビジネスに将来性はある?
近年、民泊ビジネスは急速に成長しており、適切な戦略を持って運営すれば、安定した収益を得ることができるでしょう。
コロナが流行って以降、リモートワークでの働き方をする人が急増しているのも追い風になっていると言えます。2024年6月のインバウンド数は313万5,600人と、単月としては過去最高の人数を更新しています。
また、大阪万博が2025年4月13日から10月13日までの6ヶ月間控えているため、関西エリアは民泊の需要が続くでしょう。2024年の4月〜5月までの宿泊日数も、前年の同時期と比べて増えている実績もあります。
参考記事:訪日外客数
住宅宿泊事業法
民泊ビジネスのアイデア
民泊を上手にビジネスとして上手に運営していくためには、どのようなアイディアがあるのでしょうか?
ここでは、民泊の「180日制限」以外のビジネスアイディアの活用方法をそれぞれご紹介します。民泊と併用して戦略的に運営することにより、以前の2倍の収益を生むことが期待できます。
民泊とマンスリーマンションの併用
民泊とマンスリーマンションを併用するメリットは、収益性を高めることと安定化が図れることにあります。特定のシーズンには民泊運営をして、閑散期にはマンスリーマンションとして運営することで、通年安定した収益が見込まれます。
さらに、異なるニーズに対応するための柔軟な選択肢を提供できる点もおすすめです。ビジネス出張や長期滞在を希望するお客様にはマンスリーマンション、観光や短期滞在を希望するゲストには民泊を提供するという方法もあります。
民泊と賃貸の併用
民泊と賃貸の併用も、特に需要が高いエリアにおいて収益を最大化するための有効な手段です。賃貸物件としての安定した収入を得ながら、空いている期間を民泊として活用することで、収益の幅を広げることができます。
ただし、民泊と賃貸を併用するには、法律や規制を遵守して賃貸契約に影響を与えないようにすることが重要です。
また、賃貸契約の内容によっては、短期貸出が禁止されている場合もあるため、事前に確認しておきましょう。
民泊とレンタルスペースの併用
レンタルスペースと併用するのも、おすすめの活用方法のひとつです。民泊として宿泊を提供する一方で、空いている時間帯には会議室やイベントスペースとして貸し出すことができます。
観光地やビジネスエリアに位置する物件では、宿泊需要と同時にレンタルスペースの需要も見込まれるため、稼働率を高めることが可能です。
また、地域のイベントやワークショップに合わせてスペースを提供することで、地域貢献にもつながります。
ただし、民泊新法ではレンタルスペースと民泊の併用はできないので注意しましょう。レンタルスペースの運営もしたい場合は、旅館業(簡易宿所)での申請が必要です。
民泊ビジネスを成功させるポイント
「民泊を始めたいけど本当に収益が出るか不安」と感じている人もいるでしょう。稼働率を安定させるには、事前のシミュレーションや対策が十分にできているかがポイントになります。
立地や周辺環境にこだわる
宿泊施設を選ぶ際、立地を重視するゲストは多いです。そのため、立地や周辺環境選びは時間をかけて行い、妥協せずに決めることが重要です。。
ゲストの視点に立ってどのような場所に宿泊したいかのイメージを持ち、観光地やビジネスエリアに近い場所を選ぶことで、宿泊需要を高めることができます。
交通の便が良い場所や地域の安全性を物件選択の基準にすることもおすすめです。また、近くに飲食店やコンビニなどのアクセスが良いこともゲストにとって大きな利便性となります。
初期投資を回収できるかシミュレーションをする
収支シミュレーションをせずに運営を始めると、初期投資を回収できているかわからなくなってしまう可能性があります。
そのため、事前に初期投資の回収時期と収益が見込めるようになる時期の計画のシミュレーションをしましょう。
初期投資の回収と同時に運営コストもかかるため、収益性を見極めて利益が出るかどうかの把握が重要になります。シミュレーション結果をもとに、必要に応じて初期投資の見直しや収益モデルの調整を行いましょう。
トラブルへの対策を行っておく
民泊では、周辺の住民から苦情が寄せられるケースも多いです。そのため、ハウスルールの明確化や事前のポスティングなどが重要になります。
チェックイン・チェックアウトの時間や騒音に関する注意事項、共有スペースの利用ルールなどを明示することで、トラブルを未然に防ぐことができます。
ハウスルールは他の言語でも作成しておき、ゲストにわかりやすく伝えることでトラブル防止に繋がるでしょう。さらに、トラブルが発生した場合に備えて、緊急連絡先を明記した案内を宿泊施設内や近隣住民に掲示するなど、迅速に対応できる体制を整えておくことも重要です。
想定外の事態に備えておく
民泊運営を始める際に、予期せぬトラブルや事故に備えておくことも重要です。例えば、自然災害に対する備えとして、物件の耐震性や防災設備の確認を行い、避難経路や非常時の連絡先を明示しておきましょう。
また、トラブルが発生した際の対応マニュアルを作成し、スタッフ全員がその内容を把握しておくことも大切です。
自然災害や突発的なトラブル、ゲストからのクレームなど、予測できない事象が発生する可能性があるので、ホストは民泊保険への加入をおすすめします。民泊保険に入る際は、運営スタイルや物件の特性に合った保険プランや対策を講ずるようにしましょう。
差別化を図るためのアイデアを考える
民泊ビジネスが競争の激しい市場で成功するためには、他の宿泊施設と差別化を図ることが必要不可欠です。
地域の特性を活かしたテーマ性のある宿泊体験を提供し、地元の文化や歴史をテーマにした内装やサービスを展開することで、訪れるゲストはユニークな滞在を楽しめます。
また、ペット同伴可能な宿泊施設や長期滞在向けの特別プランを設けることで、特定のニーズにも応えられます。施設の知名度を上げたい場合は、SNSも活用してみましょう。
まとめ
民泊ビジネスは、適切な戦略とアイデアを持つことで成功を収める可能性があります。今回の記事で紹介したポイントを理解しておき、成功するために一つでも多く取り入れましょう。
差別化をしっかりと図ってアイディアを取り入れることは、競争が激しい市場で生き残るための鍵となります。
これから民泊ビジネスを始める方は、自分自身のビジネスモデルを構築していくことを探求して、充実した運営を目指しましょう。
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2024年10月30日
民泊は、旅行者や出張者にとって手軽な宿泊手段であり、サイドビジネスで成功を目指す人に注目を集めています。個人でも始めやすく、収益を得られるビジネスとして関心が高まっていますが、本当に儲かるのかと疑問に感じる方も多いでしょう。 本記事では、民泊の収益を得るための構造や必要な費用、そして利益を上げるために押さえておきたいポイントを詳しく解説していきます。 民泊は儲かるの? 民泊が儲かるためには、売上だけでなく運営にかかる経費をどれだけ抑えられるかが重要です。例えば、1泊1万円で180日営業しても、1年の売上は180万円にしかなりません。 利益を上げるには、家賃や水道光熱費などのランニングコストをしっかりと把握し、収支バランスを考えることがコツです。また、高い収益率を目指すためには、立地選びや競争力のある値段設定、計画的な運営を心がけるべきでしょう。 民泊が儲かりにくいと言われている理由 民泊は一時的に高い注目を集めましたが、近年では「儲かりにくい」と言われるようになりました。 ここでは、その理由を4つ解説します。 民泊新法の180日ルールがある 民泊を運営する際、特に注意が必要なのが民泊新法の180日ルールです。民泊新法の中に「年間提供日数の上限は180日」と営業日数の制限が設けられています。 限られた日数で効率よく集客し、収益を出せるように繁忙期にできるだけ多くの宿泊客を集めることが重要です。 旅行需要に影響される 観光シーズンやイベント時には宿泊者が増えますが、雨や台風が多い季節やオフシーズンでは宿泊客が減り、旅行需要に大きく左右されることもあります。 また、コロナのパンデミックのような社会情勢も考慮に入れる必要があるでしょう。安定した収益のためには、旅行需要の変動を常に把握し柔軟に対応することが求められます。 場所選びが難しい 観光地やビジネスエリアなど需要が高い場所は集客が期待できますが、競争が激しく差別化が必要になるので、エリア選びは慎重に行いましょう。エリア選びでは、需要の高さだけでなく運営コストも計算したうえで選ぶのがおすすめです。 また、自治体による上乗せ条例が厳しい地域では運営が難しくなる場合があるため、自治体の条例は事前に確認しておきましょう。 すぐに利益が出ない 民泊運営を始めたばかりの頃は、すぐに利益が出ずに初期費用を中々回収できない可能性もあります。 初期投資や準備には時間がかかり、リフォームや家具購入、必要な許可取得などで初期費用も高くなります。運営開始からしばらくは赤字が続くことを考慮して、長期的な運営計画を立てることが大切です。 民泊運営にかかる費用 民泊運営にかかる費用は、初期費用とランニングコストの2つがあります。 民泊を始める前に必要な費用をあらかじめ知っておき、事業計画に役立ててみましょう。 初期費用 初期費用が高くなるケースは、民泊用に物件を購入する場合です。他にも、家具や家電の購入費用、消防設備の設置費用も忘れてはいけません。 また、民泊新法に基づく申請料や登録にかかる手数料も発生します。 費用項目 目安金額 物件購入費用 3,000万~5,000万円 家具・アメニティ購入 30万~100万円 消防設備の設置費用 10万~50万円 申請料・手数料 5万~20万円 物件の立地や規模により費用は大きく変わるため、具体的な見積もりを事前に行いましょう。 また、購入でなく賃貸にしたり家具などの購入をセカンドハンドにしたりすることで、費用を抑えることもできます。 ランニングコスト 初期費用だけでなく、継続的にかかる家賃や水道光熱費、通信費、清掃費などのランニングコストも考慮に入れることが大切です。 以下は、ランニングコストの目安をまとめた表です。 費用項目 目安金額(月額) 家賃(賃貸の場合) 10〜20万円 水道光熱費 1〜2万円 通信費 5000〜1万円 清掃費 1回5000〜1万円 運営代行費用 家賃の10〜20% 家賃は地域ごとに差があるため、費用をおさえたいのであれば、家賃相場が安いエリアを探すのがおすすめです。 運営代行に依頼する場合は管理会社に支払う手数料が発生します。管理会社によって費用が異なるので、予算やサポートしてほしい内容を考えながら会社を選びましょう。 […]
2024年9月18日
民泊を始めたが、どのように運営していけばいいかわからないと悩んでいる方はいませんか? 初期設定の支援から運営管理まで行ってくれるのが、民泊の管理代行会社です。管理代行会社は、収益向上に悩んでいる方にも導入がおすすめです。 そこで今回は、おすすめの管理会社と管理会社のメリット、注意点についてご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。 民泊の管理会社とは? 民泊の管理会社とは、民泊物件の運営をサポートする専門業者のことです。管理会社は、物件の予約管理、清掃、ゲスト対応など、運営に必要なさまざまな業務を委託できます。 民泊オーナーの手間となる大部分を、今まで培った知識や経験で円滑にしてくれるのが魅力です。新規民泊オーナーや数か所の民泊を経営しているオーナーに役立ちます。 管理会社に委託するメリット 民泊の運営を管理会社へ委託するメリットは、オーナーとゲストのどちらにも多くあります。その中でも、重要視される3つに絞ってご紹介します。 運営の効率化につながる 管理会社に委託することにより、民泊の運営を効率的にすることが可能になります。 民泊の運営は、予約管理や清掃、ゲスト対応など多岐にわたる業務があるため、オーナーの負担をどのように軽減するかが重要です。 業務を委託することで時間と労力を最小限に抑えることができ、尚且つ清潔感を保つことができます。 長期的に運営ができる 民泊の運営を長期的に渡り続けるためには、安定した収益と持続的な運営体制が必要です。例えば、季節やイベントに応じた料金設定やプロモーションを行うことで、年間を通じて高い稼働率を維持できます。 管理会社に委託することで、徹底されたサポートを受けながら、運営の安定性を確保して収益の増加が実現します。 事前にトラブルを防止できる 管理会社に依頼することで、の運営で、事前にトラブルを防止できるのもメリットです。する対策が講じられます。例えば、訪日外国人が急増している今、英語はもちろん多言語への対応が求められます。 日本人のみならず、海外のゲストへも多言語で対応できる会社であれば、問題対応やゲストとの会話は管理会社への委託によりトラブルを最小限に防げるでしょう。ぐとよいでしょう。 また、物件の定期的な点検やメンテナンスを行うことで、設備の故障や不具合を未然に防ぐことにも繋がります。 委託する管理会社の選び方 委託する管理会社の選定を行う際に、抑えておくべき点がいくつかあります。物件数や物件の種類、オーナーがどの程度介入したいかなどそれぞれの条件にあった管理会社を選択しましょう。 料金プラン 各社が提供する料金プランは多岐にわたるので、しっかりと比較して検証して運営スタイルや予算に合ったものを選択しましょう。 料金プランの中には、固定費用型や成果報酬型などがあります。固定費用型は毎月一定の料金を支払う形式で、予算管理がしやすいのが特徴です。 一方、成果報酬型は実際の収益に応じて料金が変動するため、収益が低い月でも安心して利用できます。 完全代行か部分移行か オーナーは、民泊の運営をどの程度委託するかを検討しましょう。委託する際は管理会社には、完全代行と部分移行から選べます。完全代行サービスは、物件の運営に関する全ての業務を管理会社に任せる形式です。 予約管理や、清掃、ゲスト対応、トラブル対応などが含まれ、複数の物件を運営している方に最適とされています。 一方、部分移行サービスは、予約管理や清掃などの特定の業務のみを管理会社に委託する形式です。オーナーが民泊の運営に介入でき、コストを抑えられます。 サポートの範囲 管理会社によっては、基本的な業務だけでなく、追加のサポートサービスを提供している場合があります。海外からの問い合わせで日本の早朝や夜中に対応が必要な場合、24時間対応のサポートは便利です。 また、タイや韓国からの訪日が増えているため、多言語対応のサポートも重要な鍵となります。さらに、法令遵守のサポートも欠かせません。 民泊運営にはさまざまな法的規制が存在しますが、管理会社がこれらの規制に対応し、申請をサポートしたり代行してくれたりします。幅広いサポートの中からオーナーに合ったものを選ぶといいでしょう。 部屋作りのサポートをしてくれるか 部屋の魅力を最大限に引き出すためにも、部屋作りのサポートがあるかを確認するのもおすすめです。民泊の部屋作りでは、プロのインテリアデザイナーがインテリアコーディネートや家具の選定などをアドバイスしてくれます。 さらには、古い物件を魅力的な空間に生まれ変わらせ、物件の価値を高めてくれるリノベーションの提案も魅力的なサポートの一つです。 民泊の管理会社おすすめ10選 では、民泊の管理会社おすすめ10選をご紹介します。完全代行や部分代行のものもあるので、予算や目的に合ったツールを選ぶようにしましょう。 PIPI Hosting PIPI Hostingは、完全代行サービスを行っています。 予約管理や物件の清掃手配など、運営に必要な業務をまとめて委託できます。 また、予約が入らない場合は利用料金が発生しないのも嬉しいポイントです。プロによるリスティングの写真撮影や物件紹介文の作成、マーケティング支援などもしてくれるのが特徴です。 Minpak Minpakは、完全代行か部分的なサポートをオーナーの運営スタイルに合わせてカスタマイズできます。 予約管理やゲスト対応、清掃手配などの基本的な業務に対応してくれます。 また、管理会社が月一回の収益レポートをオーナーに提出するため、運営に役立てることができるのも特徴です。ホストとゲストの双方にとって使いやすいプラットフォームがあるのも魅力のひとつです。 Airhost Airhostは、AIを駆使した自動化システムで完全代行サービスを行っています。 テクノロジーを活用した予約管理や価格設定、ゲスト対応などの自動化が特徴です。さらに、データ分析で市場の動向や競合の状況をリアルタイムで把握できるのも嬉しいポイントです。 faminect faminectは、エリアにより完全代行型と部分代行型が行われています。 国内の民泊代行数No.1のシェアを誇る代行会社で、安心と信頼があります。数多くのサイトに対応した強力なサポートで集客が見込めるのが強みです。 Bestbnb […]
2024年10月30日
民泊は手軽に利用できる宿泊形態として人気がありますが、トラブルも少なくありません。トラブルを未然に防ぐためには、事前のルール設定や契約書の整備、ホストとゲスト双方のマナー向上が重要です。 本記事では、よくあるトラブル事例や回避するための対策をご紹介します。万が一トラブルが発生した場合、自治体や民泊運営の相談窓口に連絡できるように知っておきましょう。 民泊でよくあるトラブルの事例 民泊では、ゲストとホストの間でトラブルが発生することがよくあります。 ここでは、具体的な事例を5つ紹介します。未然に防ぐためにも、よくあるトラブルを事前に知っておきましょう。 備品を盗まれたり壊されたりする オーナーにとって大きな痛手になるトラブルが、備品の盗難や破損です。 宿泊客が使用する家具や家電、食器類はホストにとって大切な備品であり、備品の損傷を受けると経済的な損失だけでなく、運営の信頼性にも影響します。 短期宿泊者が多い民泊では、備品への配慮が不足しがちです。そのため、貴重品や高価な家具が盗まれたり故意に破壊されたりする事例も報告されています。 チェックアウトの時間を守らない ゲストがチェックアウト時間を守らないケースも、事例のひとつです。ゲストが予定の時間を過ぎて部屋を出ないと、次のゲストのチェックインに影響が出るだけでなく、清掃や次の予約の準備時間も不足してしまいます。 その結果、サービスの質が低下してゲストがマイナスな印象を持ってしまう可能性もあります。 チェックアウト時間が過ぎないように、事前に明確なチェックアウト時間を設定して宿泊者にしっかりと伝えることが大切です。リマインダーを送ることも有効な対策になるので、導入を検討してみましょう。 人数詐欺の被害に遭う 民泊における人数詐欺は、予約時に申告された人数よりも多くのゲストが宿泊することです。非常に厄介なトラブルのひとつであり、清掃の負担増加や宿泊料金の損失に繋がってしまいます。 大人数の旅行で発生しやすいため、ホストは事前に正確な人数の申告を求めるようにしましょう。チェックイン時に人数確認を徹底することもおすすめです。 近所の住民から騒音のクレームがくる 騒音が原因で近隣住民からクレームが来るケースもあります。特に大人数での宿泊では音が大きくなりがちなので、ハウスルールを明確にして静かに過ごすようにゲストに伝えることが大切です。 運営前に近隣へ説明をしておいたり家でのパーティーは禁止にしたりするなど、騒音対策は必ず行っておきましょう。 ゴミ出しのルールを守っていない 慣れない地域からのゲストや訪日外国人は、ゴミ出しルールを守らないまたは知らない人が多くいます。可燃ごみと不燃ごみを混ぜて捨てたり指定日にゴミを出さなかったりすると、近隣住民から苦情が寄せられることがあります。 トラブルを避けるためには、ハウスルールに地域の分別方法や収集日を詳しく説明し、図や写真を用いて視覚的に理解しやすくすると効果的です。また、最終的なゴミの処理はホストがやるのもおすすめです。 民泊でトラブルを回避するためにやっておきたい対策 民泊でのトラブルを回避するためには、事前の対策が非常に重要になります。ここでは、おすすめの対策8選を紹介するので、トラブル対策にぜひ役立ててみてください。 ハウスルールをしっかりと決める ハウスルールを明確に設定することは、オーナーとゲストはもちろん、近隣住民にとっても非常に大切です。 例えば、以下のルールを決めておきましょう。 ハウスルールは、事前に書面やウェブサイトに掲載し、ゲストにしっかりと伝えることが今後の役に立ちます。 細かい部分までルールを決めておくと、後のトラブルにも発展しにくいため、ルールは明確にしておくことがポイントです。 ゴミ出しはホストが対応する 民泊のゴミは事業ゴミ扱いとなるため、ゴミ出しはホストが行いましょう。 ゲストだけにルールを守らせるのは難しい場合があり、ゲストや近隣住民とトラブルの原因となることもあります。ホストが直接ゴミ出しを行えば、分別ミスによる問題を回避でき、近隣住民との関係も良好に保てます。 事前にゲストへ分別方法を説明したりわかりやすいように絵を貼っておいたりするのもおすすめです。 保険に入っておく 民泊を運営する際には、万が一のトラブルに備えて保険に加入することが非常に重要です。 Airbnbの保険では「ゲストの滞在に起因してホストの所有する財物やリスティングが破損した場合に、¥100,000,000までの補償をホストに提供するプログラムです。ゲストまたは第三者に対する財物破損もしくは人身傷害に関連してホストが賠償責任や費用を負う場合にも、補償が提供される可能性があります。」の内容が含まれます。 上記のAirbnbが提供する保険だけではカバーしきれない場合もあるため、民泊専用の保険に入ることをおすすめします。 宿泊客による物品の破損や盗難、事故による損害賠償請求などさまざまなリスクがありますが、適切な保険に加入することで、これらのリスクに対する経済的負担を軽減し、安心して運営を続けられるでしょう。 参考文献:Airbnb 罰則を決めておく ハウスルールをしっかりと設けていても、ルールを守らないゲストがいるため、守らないゲストに対する罰則の設定が重要です。 罰則を明確にしておくことで、トラブルを未然に防ぐことができます。例えば、以下のケースに対して罰則を設けておくと良いでしょう。 事前にゲストへ上記の内容が罰則に値することを説明し、理解を促すことが大切です。 防犯カメラを設置する 民泊の運営でトラブルを防ぐための有効な手段が防犯カメラの設置です。防犯カメラは犯罪の抑止効果があり、特に備品の盗難や破損を防ぐのに役立ちます。 設置する際は、共用スペースや出入り口など注意が必要な場所に設置し、宿泊者のプライバシーを尊重しましょう。玄関にカメラを設置することで、人数詐欺を防ぐ効果も期待できます。 事前に防犯カメラを設置していることをゲストに通知し、同意を得ることも忘れずに行ってください。 近隣住民からの理解を得る 民泊運営を開始する前に近隣住民との良好な関係を築くように住民に対しては、事前に周知し理解を得る努力が必要です。多くの地域では、届出前に説明会の実施が義務付けられているので、この機会を活用しましょう。 挨拶や運営方針の説明を行うことで、住民の不安を軽減できます。さらに、定期的なコミュニケーションや、住民の意見を取り入れる姿勢が信頼関係を深めるポイントとなります。 苦情にすぐ対応できるようにしておく いくら事前説明会を行ったとしても、近隣住民からの苦情は避けられないことがあります。 苦情が来た際に一番重要なことは、迅速に対応することです。騒音や不適切な行動に関する苦情は、早めに対処することでトラブルの拡大を防ぐことができます。 苦情を受けたときにすぐに対応できる体制を整え、ホストの連絡先を提供しておくことで良い対応につながるでしょう。また、対応マニュアルを用意し、冷静に対応することも効果的です。 多言語でハウスルールを説明できるようにしておく […]
2024年10月30日
宿泊業界にはホテルや旅館、民宿などさまざまな形態があります。中でも近年注目を浴びている民泊ですが、似たような宿泊形態としてゲストハウスがよく挙げられます。 しかし、両者の具体的な違いを理解している人は少ないでしょう。そこで今回は、民泊とゲストハウスの違いを解説します。 それぞれの魅力や運営に向いている人の特徴も取り上げているので、運営に興味のある人はぜひ参考にしてみてください。 民泊とゲストハウスの定義 まずは、民泊とゲストハウスの定義について理解しましょう。似たようなイメージを持つかもしれませんが、それぞれの定義は異なります。 民泊 民泊とは、一般の住宅や空き部屋を宿泊施設として提供する形態です。インバウンド需要が回復してきている中、ホテルや旅館に次ぐ宿泊スタイルとして外国人にも人気です。 また、日本に増えている空き家の活用方法のひとつとしても注目されています。ホテルなどとは違って、自宅の使っていない部屋を民泊として貸し出したり物件を丸ごと貸し切りにできたりするのが民泊の特徴です。 ゲストハウス ゲストハウスはホステルと似たような形態で、他のゲストと相部屋になることが多く、キッチンやシャワールームなども共有で使います。 アットホームな雰囲気で、ゲスト同士やスタッフとの交流が深まりやすいのが魅力です。素泊まりが基本で、リーズナブルな値段で宿泊できることから、バックパッカーや若い世代に利用者が多いです。 民泊とゲストハウスの違い では、民泊とゲストハウスの具体的な違いについて解説します。法律による違いや利用者層も異なるため、それぞれの違いについて知っておきましょう。 法律による分類 民泊は以下の3つの運営形態に分けられ、いずれかの制度で申請や届出を行います。 一般的には民泊新法で届出をして運営を始めるケースが多く、届出をするだけなので始めやすいのが特徴です。 また、申請のハードルは高くなりますが、旅館業や特区民泊で申請をすることも可能です。ゲストハウスは、旅館業の旅館・ホテルか簡易宿所営業に分類されます。 営業日数 民泊新法では、稼働できる日数が年間で180日以内と決められています。そのため、民泊新法で民泊を行う場合は、180日ルールがデメリットと感じる方も多いでしょう。 しかし、特区民泊や旅館業は営業日数の制限がないため、1年を通して稼働日数をできるだけ上げたい場合は、旅館業などで申請をする方法もあります。ゲストハウスは旅館業に当てはまるので、180日ルールに縛られずに営業できます。 運営スタイル 民泊は家の一室やマンション、一軒家など、さまざまなタイプの家に泊まれるのが大きな特徴です。特に一棟貸しスタイルの家が多く、海辺に近いビーチハウスやスキー場周辺のログハウスなど、別荘のような物件にも泊まれます。 一方、ゲストハウスはドミトリーと呼ばれる相部屋があるのが特徴です。また、キッチンやリビングなどのスペースも他のゲストとシェアします。 宿泊者のニーズ 宿泊者のニーズも少しずつ異なります。例えば、一軒家を貸し切りできる民泊はプライバシーを重視する宿泊者に人気があり、家族連れやグループで泊まりたいゲストに人気です。 ゲストハウスは、共有スペースが多いことからゲスト同士での会話が生まれやすく、他の旅行者と交流したい人が多く泊まります。 また、民泊は値段に幅がありますが、ゲストハウスは比較的リーズナブルな料金で泊まれるため、バックパッカーの利用も多いです。 初期費用 民泊は、新しい物件を購入するのであれば初期費用は高くなりますが、自宅の一部を貸し出したり賃貸物件で始めたりする場合は、初期費用は比較的少なくて済みます。 また、空き家や中古物件を改装する際は、家の状態に応じてリフォームやリノベーションのコストが高くなることもあるので注意が必要です。 ゲストハウスはドミトリーの部屋を複数用意する必要があるため、初期費用は高額になる傾向があります。キッチンや共有スペースなど、内装もゲストハウス向けにするほか、用意するベッドの数も多いので、まとまった費用が必要になることを頭に入れておきましょう。 共通点もある 民泊とゲストハウスのそれぞれ異なる特徴を説明しましたが、共通点もいくつかあります。 1つ目は、開業するにあたって特別な資格がいらないことです。必要な手続きを行って届出もしくは申請をすれば始められるので、開業するハードルは比較的低いと言えるでしょう。 2つ目の共通点は、運営を続けていくうえで代行会社に業務を委託できることです。特に民泊は、家主不在型の場合は住宅宿泊管理業者に委託するのが義務付けられています。 代行会社はチェックインやメッセージ対応、予約管理などプランや会社によってさまざまな業務を依頼できます。 委託費用はかかりますが、運営を効率化できるのがメリットです。 民泊とゲストハウスそれぞれの魅力 宿泊施設の運営では、物件や宿泊スタイルの魅力をいかに活かせるかが大切です。ここでは、他の宿泊とは異なる民泊とゲストハウスの魅力を解説していきます。 民泊の魅力 民泊の最大の魅力は、ユニークな宿泊体験ができることです。庭園付きの日本家屋やロッジ、おしゃれなヴィラなど、ゲストは目的や値段に合わせて多種多様な物件を探せます。 ヨーロッパではお城に泊まれたりするなど、個性的な施設も多いです。 また、バーベキューができる物件やサウナが付いている家、大きいスクリーンで映画が楽しめる家など、工夫次第で他の物件との差別化もできます。 ゲストハウスの魅力 ゲストハウスは、宿泊者同士の交流を楽しめるのが魅力です。ドミトリーやキッチンなど、他の宿泊者と顔を合わせることが多いので自然と会話が生まれやすく、旅行者同士の出会いや旅の思い出のひとつになります。 中には、市内の無料ツアーや宿泊者同士の交流会、映画鑑賞といったイベントを実施しているところもたくさんあります。 地域の観光地を回って文化を知ったりゲスト同士で仲良くなったりできるのは、ゲストハウスならではの魅力と言えるでしょう。 民泊とゲストハウスどっちを運営するべき? 宿泊業界のビジネスに興味はあるけれど、どちらを運営するべきか迷ってしまう方もいるでしょう。ここでは、民泊とゲストハウスの運営に向いている人の特徴をそれぞれ紹介します。 民泊の運営に向いている人 少ない初期費用で始めたい人には、民泊が向いています。民泊は使っていない空き部屋や賃貸物件でもできるため、物件を購入しなくても事業が始められるのがメリットです。 また、民泊新法ができたことで参入のハードルが低くなったこともあり、旅館業や特区民泊に比べると低リスクで始められます。初期費用をなるべくおさえたい人や使用していない部屋がある人は、民泊を始めてみるのがおすすめです。 ゲストハウスの運営に向いている人 営業日数に縛られずにビジネスを行いたい人には、ゲストハウスが向いています。ゲストハウスは旅館業として申請をするため、許可が降りれば1年を通してフルで稼働できるようになります。 物件や家具・アメニティの購入コストもかかるので、まとまった資金があるかどうかも大切なポイントです。また、ホテルとは違ったアットホームな雰囲気でゲストとの会話を楽しめる人にもおすすめです。 […]
2024年9月19日
Airbnbは、世界中の旅行者と宿泊施設を提供するホストを結びつける人気のプラットフォームです。ホストとして利用する際には、手数料がどのように設定され、どのように料金が計算されるのかを理解することが重要です。 本記事では、Airbnbの手数料体系や料金設定のポイントについて詳しく説明します。それぞれの特徴やホストに与える影響についても触れつつ、手数料変更のメリットや料金設定のコツについても紹介するので、ホストの方はぜひ参考にしてみてください。 Airbnbのホストの手数料 Airbnbでは、以前はホストが3%、ゲストが14%のサービス料を負担する「分担型」の料金体系が主流でした。しかし、2020年12月から「固定型」が導入され、ゲストの手数料が0%でホストが支払う手数料が15%に変更になっています。 ゲストの負担は減りますが、ホストの払う割合が大幅に増加したため、料金設定の見直しが必要になっています。 Airbnbの手数料の設定方法 Airbnbの手数料を設定する手順は、以下の通りです。 基本料金とは別に特定の日付の値段を設定したい場合は、変えたい日付をクリックすると値段を変えられます。パソコンの他にも、スマートフォンのアプリからも値段設定が可能です。 Airbnbの2つの料金体系 Airbnbでは、ホストが支払う手数料の設定方法を主に2つの料金体系から選択することができます。自分のビジネスモデルや運営スタイルに最適な方法を選んでいきましょう。 サービス料分割 サービス料分割は、ホストとゲストの双方に手数料が課される従来の料金体系です。ホストが設定した宿泊料金に対して、Airbnbはゲストに追加の手数料を上乗せします。 例えば、1泊10,000円の場合、ゲストは11,400円を支払い、ホストの受け取る利益は手数料3%を差し引かれた9,700円です。ゲストが払うサービス料は、予約をする前のページで表示される仕組みになっています。 固定型ホストサービス料 Airbnbの固定型ホストサービス料では、ホストが設定した宿泊料金から14%が自動的に差し引かれます。 例えば、1泊10,000円の料金設定の場合、ホストの収益は8,500円となります。固定型サービス料を使う際は、初期設定料金を値上げしておくといいでしょう。 Airbnbの手数料は高い? Airbnbの手数料が高いと感じるかどうかは、ホストのビジネスモデルや物件の特性によって異なります。では、 他のOTAと料金を比較していきましょう。 OTA ホストの手数料 Airbnb 15% Booking.com 12% adoda 12% Vrbo 5% Stay japan 無料 楽天バケーションステイ 3% expedia 15% Airbnbのプラットフォームを利用することで得られる集客力や利便性を考慮すると、手数料は妥当であるとも言えます。 Airbnbの手数料が変更されたことによるメリット 計算が簡単になる 手数料体系の変更により、ホストにとって収益計算が容易になりました。以前はホストとゲスト両方の手数料を考慮する必要がありましたが、新しい手数料体系はホストは手数料だけを計算すればいいため、計算が楽になるのがメリットです。 そのため、値段設定も前より簡単にできるようになります。 ゲストの目に入りやすくなる 手数料の変更により、ホストが設定する価格がより分かりやすくなり、ゲストにとっても明確な料金が提示されるようになりました。 これにより、ゲストは総支払額を簡単に把握でき、料金比較もしやすくなります。料金の透明性が向上したことでゲストの信頼を得やすく、新しい予約につながる可能性が高まります。 Airbnbで値段設定をするときのコツ 物件の値段設定する時には、競合物件との値段の兼ね合いが重要です。2つのコツを抑えて、適切な値段設定を行うようにしましょう。 同じエリア内の競合物件の値段を調べる Airbnbで価格設定を行う際、同じエリア内の競合物件の価格調査は必須です。相場を知ることで、自分の物件が市場でどのように位置づけられているか把握でき、適切な価格設定が可能になります。 貸切や個室といった物件のスタイルを考慮し、条件に応じて競合の料金を確認しましょう。また、口コミやレビューから他の物件がどれほど成功しているかを確認し、戦略を練ることも重要です。 口コミもチェックする 競合物件の価格だけでなく、Airbnbでは口コミのチェックも重要です。口コミは実際のゲストの体験を反映しており、物件の強みやサービス品質を見極めるヒントになります。 例えば、ホストの対応の良さや物件のデザイン、立地の魅力など、他の物件と差別化できるポイントが見つかることもあります。 口コミを通じて評価が高い要因を分析し、自分の物件の改善点や差別化の方向性を見出すことに役立ててみましょう。 まとめ Airbnbの手数料はホストの収益に関わるため、設定方法や料金体系を把握しておきましょう。オーナーにとって活用しやすい体系を導入し、ポイントを押さえながら賢く運営していくことが重要です。 […]