空き家の活用方法11選!ユニークなアイデアも合わせてご紹介
日本全国で増加する空き家問題は、社会的な課題であると同時に新たなビジネスチャンスとしても注目を集めています。空き家は、そのまま放置するのではなく、アイデア次第でさまざまな形で活用できるのがメリットです。
本記事では、空き家を有効活用するための11つの具体的な方法をご紹介します。伝統的な賃貸やシェアハウスなど、空き家の価値を最大限に引き出す方法を探っていきましょう。
日本での空き家問題
近年、日本では空き家の増加が深刻な社会問題となっています。
総務省の2023年の調査によると、全国の空き家数は過去最多の約849万戸に達しており、これは全住宅の約13.8%に相当します。(総務省)この数字は年々増加傾向にあり、1993年からの30年間で2倍に増えているのが現状です。
空き家が増える地方都市や過疎地域の背景には、少子高齢化や都市への人口集中、経済的な理由などが挙げられます。
空き家は、放置されることで老朽化が進み、景観の悪化や治安の低下、さらには害虫や害獣が発生したりするリスクがあります。
空き家の活用アイデア
近年、国や各地方自治体などが空き家の色々な対策を講じています。
では、空き家にはどんな活用方法があるのでしょうか?11のアイデアとそれぞれのメリットや注意点を解説していきます。
賃貸物件
空き家を賃貸物件として活用することで、所有者は安定した収入源を確保することが可能です。
都市部や観光地に位置する空き家は需要が高いため、適切なリフォームや管理を行うことで、長期的な入居者を見込めます。
しかし、賃貸物件としての定期的なメンテナンスが必要となるため、管理コストがかかるのがデメリットです。
また、入居者がいないと収入が入ってこないので、立地選びが重要になるでしょう。
民泊
空き家を活用した民泊は近年注目を集めていて、需要が高まっています。空き家問題を解消できるうえに、最近はコンセプトが非常にユニークな物件も増えています。自分で料金を決められるので、運営がうまくいくと利益も上がるのがメリットです。
その一方で、国や地方自治体の民泊の法規制が厳しい場合があるため、管理と清掃、適切な運営方法の基盤をあらかじめ作っておくことが大切です。
シェアハウス
経済的な負担を軽減しながら、複数の入居者が共同で生活するシェアハウスは若者や学生に人気があります。住人にとっては家賃が比較的安いこと、オーナーにとっては多数の入居者からの収入を得られるのがメリットです。
空き家をシェアハウスに転用する際は、プライバシー確保をするためのリフォームや設備の整備が重要になります。また、入居者間でのトラブルも気をつけましょう。
店舗用物件
空き家を店舗用物件として活用することは、地域の活性化や新たなビジネスチャンスに繋がります。空き家の立地や特性を活かして古民家カフェやサービス業など、多様な業種を活用することでビジネスに展開でき、集客効果を高めることが期待できます。
空き家を活用するため初期投資を抑えることができますが、景気や立地に大きな影響を受けるので物件選びは重要です。
コワーキングスペース
リモートワークやフリーランスの増加に伴って柔軟な働き方を求める人々が増えている今、コワーキングスペースの需要が増加しています。そのため、空き家を使ってコワーキングスペースを運営するのもアイデアのひとつです。
運営する際は、地域のコミュニティ形成や利用者の交流を活性化する工夫をしてみましょう。また、デスクや会議室といったある程度の広さのスペースも必要となってきます。
シェアオフィス
空き家をシェアオフィスとして利用することで、必要な設備やインフラを整えつつ、複数の利用者が共同でスペースをシェアすることでコスト削減になります。
また、フリーランスやスタートアップ企業にとっては、コストを抑えながら快適な作業環境を利用できるのがメリットです。
シェアオフィスの形態は、柔軟な契約条件や多様な利用スタイルが魅力ですが、利用者の入れ替わりが激しいため、しっかりとしたセキュリティー管理が求められます。
介護施設
高齢化社会が進んでいる日本では、介護施設の需要が高いです。地域に根ざした小規模な介護施設は、入居者にとっても安心感を提供し、地域コミュニティとの繋がりを深める役割を果たします。
空き家を改装して介護施設にすることで、必要な設備が整った福祉サービスの提供と社会貢献に一躍かうことができます。その一方で、法規制が厳しく専門知識が必要となる点はデメリットになるでしょう。
アートギャラリー
アートギャラリーとして活用することで、地域の文化を豊かにし、アーティストにとっても新たな表現の場を提供できます。古い建物の独特な雰囲気は現代アートとのコントラストを生み出し、訪れる人々に新鮮に映るでしょう。
地域のアーティストやクリエイターと連携し、定期的な展示会やワークショップを開催することで、地域の活性化にも繋がります。
アートギャラリーで集客をするには、展示内容や発信方法もポイントになってくるため、うまく宣伝できるかも大切です。
コミュニティスペース
空き家をコミュニティスペースとして活用することは、地域の人々が集まり交流を深める場に繋がります。コミュニティスペースは、趣味の教室やワークショップ、地域イベントの開催場所として利用され、地域の情報発信の場としても役立ちます。
すでにコミュニティがある場合には運営は簡単ですが、一からコミュニティの運営をする時にはコストや運営方法などに注意が必要です。
お試し住宅
お試し住宅は、住んでみたい地域に短期間でお試しで住めるサービスです。新しい住まいへ引っ越しを考えている人や新しい地域に住んでみたいと考えている人にとって便利な制度で、「お試し住宅」や「お試し移住」と呼ばれています。
お試し住宅では、通常の賃貸物件とは異なり、数週間から数ヶ月の期間で住むことができるため、地域の雰囲気や生活スタイルを実際に体験することができます。
魅力を伝えるいい機会にはなりますが、利用者が常にいるとは限らないため、収益が見込めるかは注意が必要でしょう。
DIY型賃貸借
DIY型賃貸借は、借りる側が費用を出してリフォームや改装を行うスタイルの賃貸です。借りる側はライフスタイルに合わせて自分の好きなように改装でき、オーナーはリノベーションの費用を負担しなくていいというメリットがあります。
また、リノベーションによって物件の価値が向上し、長期的な空き家の維持管理の負担が軽減される可能性もあります。
DIY型賃貸の場合は、トラブルに発展しないように、事前に工事の内容や原状回復についての細かいルールを決めておきましょう。
空き家を活用して民泊をする際の注意点
訪日外国人がここ数年増加傾向にある今、外国人の間で古民家が注目を浴びています。ホテルなどでは味わうことのできない日本らしい過ごし方を体験したい人が増えているのです。
空き家を改装して民泊を行う際は、3つのポイントをおさておきましょう。
リフォームの費用が高くなる場合がある
空き家は長期間放置されていることもあるため、民泊をする際にリフォームやリノベーションが必要になるケースが多いです。
古い建物の場合は構造的な問題や設備の老朽化が見つかることが多く、追加の工事が必要になり、リフォームにかかる費用は予想以上に高くなることがあります。
リフォームをして民泊にする時には、事前に地方自治体の法律に乗っ取って工事をすることが大切です。
運営形態について知っておく
民泊を運営する際には、どのような運営形態があり、どれを選ぶか考えておきましょう。
一般的には、オーナーが直接ゲストとやり取りを行い自宅の一部を貸し出す「家主居住型」と運営会社が管理を行う「家主不在型」の2つの形態があります。
運営形態については、民泊新法や旅館業などの法律に基づいて、物件の構造にも注意が必要です。
近隣住民との間にトラブルが起こる可能性がある
空き家を民泊として活用する時に一番注意が必要となるのが、近隣住人との関わり方です。民泊のように常に新しいゲストが出入りすることで、騒音やゴミ出しなどの問題などが発生する可能性があります。
また、民泊に対してネガティブな印象を持っている人もいるため、いかに理解を得られるかがポイントになります。
そのため、届出や申請をする前に、必ず近隣住民に周知を行いましょう。
まとめ
空き家問題がどんどん深刻になっている今、改善していくことが重要となります。空き家の活用方法として、一般的な活用方法はもちろんですが、ユニークなアイデアも注目されています。
活用のアイディアは、地域のニーズや空き家の立地条件に合わせて選択することで、収益を生み出しつつ地域社会に貢献することが可能です。空き家を活用したビジネスに興味のある方は、地域にも貢献できる活用方法を探していきましょう。
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